mareのおすすめワイン

インスタグラム mare.wine が綴るワインと時々経済のはなし

インスタグラム・シンドローム

タイトルの言葉をgoogleると意外とないんですね。

 

最近感じているのがインスタグラムの影響の大きさ。私もインスタグラムのヘビー・ユーザーなのでちょっともやもやした部分もあるのですが、、、、 世の中の、ワインのラベルも料理も建築デザインまで、あらゆるものが視覚にうったえるmonoので溢れています。

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(大好きなラ・ソルガのソルガズム。ラベルをアップにすると少しどぎついので少し引き目で載せてあります。昔、最初の一本はノリで買ってしまいましたが、そのラベルのファンキーさとは異なり、中身は自然を尊重した本当に真面目な作りなんです。)

 

ワインラベルに関していうと、昔はシャトー・ムートン・ロートシルトやオーストラリアのルーウィン・エステイトのアートシリーズが毎年変わるラベルとして有名でしたが、それらはややセレブ的な色合いが強かった気がします。造り手が自分のワインに対する思いや社会への訴えをラベルを通して表現し始めたのは90年代から生産を始めたカリフォルニアのシン・クワ・ノンからだと思っています。今では自然派を中心に色々な生産者がラベルに思いをのせるようになりました。

 

スマホのカメラの進化(スマホレンズ部品メーカーとしてはソニーが凄いって知ってました?)によってインスタグラムなど視覚的SNSが流行る時代は今後も続いて行くと思います。技術革新はさらに進むのでもう引き戻せない状況でしょう。ワインのラベルも次々に「キャッチー」になっていくでしょう。そして、そのラベルが「信念」を表しているのか、資本主義の「欲」なのか、消費者がきちんと見定めていく必要がある時代に更になっていきます。そして当然答えは「ボトルの中に」。

 

先日、フランス人の友達家族と竹下通りへ行きました。通りは「インスタ映え」しそうなものばかり。カラフルな綿あめには長蛇の列(私も友達の子供と一緒に並びました 汗)。悲しかったのは写真だけとって綿あめをこっそり捨てる観光客がいた事。そんな「空虚」があっていいのだろうか?

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料理の世界も視覚に愬えるものが、急速に増えてきた気がします。料理は食べて美味しく見た目も綺麗なのが良いのは分かりますが、最近では見た目のために何かを犠牲にしていることもあるように感じます。そんな時代、四谷の「北島亭」に無性に行きたくなるのは私だけでしょうか?

 

mare

 

 

 

ワインの品質 劣化、進化、老化、熟成 (2)

このテーマの(1)では「劣化」について述べましたが、これに関しては「熟成」をまず考えてみてから再度戻っていかなければならないものなので、まずは「熟成」について考えてみましょう。

 

これについても食品を例にあげたいと思います。話がやや難しくなるチーズや味噌などの発酵食品はおいておいて、シンプルに肉や魚で話をします。例えば屠殺したての肉や釣りたての魚。食感ではなく「味」「旨味」という意味では単調です。もちろん「鮮度」という意味では最高の状態ですが、それイコール美味しいとならないところが難しいところ。一般的な野菜とは違います。経験の長い肉屋さんや熟練のお寿司屋さんなどはこのことを本当に熟知しています。

 

ワインの世界もたぶん似ています。鮮度を「果実味」と置き直すとワインが生成された瞬間から果実味は徐々に長い時間をかけて落ちて行きます。それと引き換えに肉や魚の「旨味」に相当する「果実味/酸味/渋味」が奏でる「調和性」「複雑性」「深遠性」が顔を出して来て、自然派であれば早い段階でワイン的「旨味」が、クラッシックな作りであればやや長めの熟成を経て澱から還元される「旨味」も手伝い「美味しさ」を増して行きます。ここで美味しさにカギ括弧をつけたのは、もちろんそこには嗜好が入るのでそうしました。魚でも熟成したお刺身より、釣りたてのコリコリしたものの方が好きだという人もいますので。

 

ところで最近では「熟成肉」や「熟成鮨」という分野まで出てきて、熟成環境にこだわり、タイミングもギリギリまで見極めて提供する店が増えている中、ある意味「熟成」の本家であるワインはより早飲みになり、「熟成」が疎かになっている気がします。熟成期間が長いことがその原因ですが、造り手によって、畑によって、ヴィンテージによって熟成過程が異なり複雑だということも要因になっています。また、造り手がスタイルを大きく変えることもありますし、ヴィンテージによって酸化防止剤を入れるか入れないか、その量によっても熟成の流れは変わってきます。それを全て網羅しながらワインごとに100%適した熟成環境を用意するのは事実上不可能です。でもある程度のコントロールはできます。そのためにはおおまかにでも個々のワインの「属性」を研究する必要があります。

 

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(写真のパカレは寺田倉庫。パカレは熱というより温度の変化に弱い気がするので、サンプル以外のパカレは極力温度変化の少ない品川の寺田倉庫に置いてあります。温度変化のなさという意味では倉庫のセラーが最強です。反面、出し入れの多い飲食店の冷蔵庫型セラーが最弱です。)

 

現在ワインセラーで眠っている相当な数のワインを少しづつ開けながら精査しているところです。リリースしたてのワインの記憶がどこまで正しいかは置いておいて、その記憶と照らし合わせながらワインの「動き」を観察しています。(1)でも述べたようにやや温度が高いだけでも、そして温度が頻繁に変化すると変質しやすいワインに、セシル・トランブレイ、フーリエフレデリック・コサール、フィリップ・パカレ、多くのオーヴェルニュの自然派ワイン、イタリアのパーネヴィーノ、案外リナルディーのバローロやパラディソのブルネロなどがあります。反面、DRCはなぜかそこそこの環境でも健全に熟成していくし、自然派でも雑な扱いを受けながらでも「不良にならない」子達もいます。この辺はセラーのワインを徐々に開けながらアップデートしていけたらと思っています。

 

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ちなみに、熱も含めて意外と強いのがシャンパーニュ! 結構可哀想な環境にあったセロスのシャンパーニュが美味しかった経験が。 シャンパーニュがそんなに強いのに意外と有名ホテルとかで飲むシャンパーニュが美味しくないことが多々。どうなってんだろ?

 

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ワインの品質 劣化、進化、老化、熟成 (1)

mareは30年余り個人のワイン愛好家としてワインと接していましたが、今後プロフェッショナルのカヴィスト(まだ見習いみたいなものですが😁)としてやっていく上で、ワインの「保存、保護」というのが大きな課題です。この課題は実験や試行錯誤をしながらの一生のテーマとなる気がしていますが、今までの経験で感じていることを少し。

 

ワインの保存には色々な「面倒」が付きまといます。温度管理、湿度管理、振動管理、光管理。どのような環境でワインを育てたら良いのか、それ以前にどのような状態ならば「劣化」しないのかよく考えてみないといけません。保存環境として温度15度以下、湿度70%以上、振動と光を避けるというのが一般的見解です。でもそれにも色々な意見があるようで、自然派ワインも扱っている大手ワインインポーターが雑誌に出している広告を見ると、堂々と物流センター内のセラー温度は「16度〜18度」と書いてありますし、一部の自然派ワインを扱う人は12度以上にしたくはないという人もいます。湿度にしても70%を下回っていても問題ないという方々もいれば、カビが生えてもいいからできるだけ高湿度を保ちたいという方も。ワインを劣化させない方法は?そもそも「劣化」って?

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まずは先入観を捨ててみたいと思います。ワインとなると難しく考えすぎるところもありますし、またボトルの中に入っている液体なので「未知」な感じもあります。しかし極端に言えば、他の食べ物と何ら変わりはありません。一旦、野菜や肉や魚と同じように考えてみましょう。肉や魚は「熟成」というワインと同じ部分があり、「保存」の話をするには少しややこしくなるので、野菜で話を進めたいと思います。

 

一般的に野菜は大地から根を抜いたところから「劣化」が始まります。もちの悪いサニーレタスを例にあげます。サニーレタスを美味しく食べるなら畑の上で食べるのが一番ですがそうもいきません。物流に乗ってスーパーや八百屋まで来たものを買うわけですが、その状態もまちまち。ピンピンしているものもあれば、すこーし葉が溶けたようなものまで売ってます。多分ワインも一緒です。一番フレッシュなワインを飲みたいのであればワイナリーで飲むのが一番。ワインがワイナリーを一歩でれば「劣化」は始まります。日本に来るまでずっと振動にさらされ、たぶん温度管理も100%ではありません。地区地区の中心物流センターからリファーでワインを運ぶことはあっても、リファートラックで個々のドメーヌを回っている業者がいるかどうか? 言いたいことは日本に100%のワインはなく、劣化をどれだけのレベルで留めておけるかどうかがポイントだということです。熱劣化も含めた「劣化」はゼロイチではなく、八百屋のサニーレタスの状態のように連続したものです。なのでその状態は消費者もしくは仲介のワインショップが判断しなければなりません。もちろん、葉がドロドロになってしまったサニーレタス、色の黒くなった牛肉、お腹を壊しそうな魚のように絶対に「ダメ」なレベルはワインでも排除されると思いますが、あとは70%を良しとするか?80%を良しとするか?95%じゃなきゃ嫌なのか?は消費者に委ねられています。

 

そもそも100%のワインを知らない消費者にとってそれをどう判断しろというのかと問われると返す言葉もありませんが、日本のワイン市場は概ね80%〜95%ぐらいのレベルを保っていると個人的な見解ですが思います。それは結構凄いことです。フランスやイタリアなど本場も含め結構世界中ひどい状態で飲んでいるのが実情ですから。ドロドロサニーレタスのような状態のワインも世界にはいっぱいあります(苦笑)

 

(2)ではもうちょっと熟成を含め話を進めます。たぶん、少し細かくなります。というか、個々のワインできめ細やかに管理していくしかないという話になってしまいます。例えば、ブルゴーニュフレデリック・コサールのワインを15度以上で長期間寝かせると果実味と風味がなくなります。フーリエも16度を超える温度で長期間保存すると「フーリエ香」がなくなり、若いフーリエワインの特徴を失います。逆に自然派でもオッキピンティーのワインは白を除き少し高めのセラー温度でも綺麗に熟成していきますし、繊細と言われるブルゴーニュワインでもドメーヌ・ド・ラ・トゥールのクロ・ヴージョのように低温だとなかなか熟成してくれないワインもあります。みたいな😃

 

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ワインの価値

やっと年度末がらみの色々な書類仕事から解放されて、少し時間的余裕が出てきました。月例となったワイン会以外のことはなかなか手に付かず疎かになっておりましたが、また少しづつ平常に戻して行きたいと思っております。

 

それにしても昨今のワインの価格の動きにはかなり翻弄されてしまいます。本来ワインの価格はそのワインの価値、つまり味なんだと思いますが、そうスッキリといかないのがこの世の中なんでしょう。同じぐらいの美味しさでも、有名なものや、より「宣伝」されたものは高く、まして希少なものは気が遠くなるような値段に跳ね上がります。また、DRCのような伝統的にブランドがあるものだけでなく、最近流行りの自然派ワインでも「ストーリー」が上手く仕込まれて値段に反映することもしばしばのような気がします。

 

話は変わりますが、mareの大好きでとても勉強になるワインショップが数件ありますが、そのうちの一つに森田屋さんというお店があります。店主は現代アート作家の方なので、とても偏屈(怒られるかな?)な部分もあるのですが、彼が教えてくれることはいつも紛いのない真実。最近一番心に沁みた言葉は、「すべてはワインの中にある。」でした。インポーターのレポートを読むもよし、ワイナリーの歴史を調べるもよし、ワイナリーを訪れて土壌を調べるのもよし、醸造方法を聞くもよし、生産者と仲良くなるのもよし。だけどそれはどんどんワインそのものに対する先入観やバイアスを増大させていくということも忘れなさんな、って教えでした。なんの情報もなくその「作品」と向き合うことが一番そのワインを知ることになるんじゃないかな、ということです。まさに芸術家の目です。

 

前回の私のワイン会ですが、ワインリスト以外、事前に何の情報も入れていませんでした。事前にある程度分かっている人がいたかも知れませんが、例えばワインの詳細と共にこんなワインリストを出していたらどうでしょう?

ドーヴネ/アリゴテ 2010年 40,000円

ルフレーブ/ピュリニーモンラッシェ・ピュセル 2010年 30,000円

マッカシン/シャルドネ 2006年 50,000円

マッサヴェッキア/アリエント 2016年 6,000円

イレンカ 2017年 3,500円

マルク・ロワ/ジュヴレ・シャンベルタン クロ・プリュール 2006年 12,000円

マルク・ロワ/キュベ・アレクサンドリーヌ 2005年 25,000円

マルク・ロワ/キュベ・アレクサンドリーヌ 2007年 20,000円

マルク・ロワ/キュベ・アレクサンドリーヌ 2009年 20,000円

オッキピンティ/シカーニョ 2006年 6,000円

オッキピンティ/シカーニョ 2014年 4,500円

オッキピンティ/グロッテ・アルテ 2006年 8,000円

セシル・トランブレ/シャペル・シャンベルタン 2009年 80,000円

ドメーヌ ・デュ・ペゴー/キュベ・ダ・カポ 2007年 60,000円

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この情報を事前に持っていてオッキピンティのグロッテ・アルテに一番感動したと言えたなら、それは凄い客観力の持ち主と言えるでしょう。個人的に私が参加者で値段情報を持っていたら、、、、ちゃんとした判断ができたか疑問です。

 

余談ですが、さっき上記のワインリストの価格を足し合わせたら365,000円になってました。ワイン代20万円弱しか貰ってないので大赤字ですね(汗)しょうがない、自分がこう組み立てて飲みたかったので。いつも自分も参加者として参加代を払っているつもりで総額を組むのですが、それにしてもやりすぎました。反省🙇‍♂️

 

mare

 

 

 

 

アンリ・ジャイエの功罪

インスタグラムに「アンリ・ジャイエ負の遺産」と書いたら質問がきたのでそれについてちょっと。

 

アンリ・ジャイエは何をもたらしたか?

 

全て個人的見解ですのでご容赦下さい。

 

アンリ・ジャイエが創造したものは素晴らしいワイン達とワインの「価格の自由化」。アンリ・ジャイエが他界する以前はワインの価格にはそれなりの秩序というものがありました。それが良い悪いは別として、DRCのワインを超える価格のワインはブルゴーニュにはほぼなく、ボルドーでもペトリュスやル・パンを除けば4大シャトーを超える価格のワインはほとんど存在しませんでした。

 

アンリ・ジャイエの他界後、もともと神様と言われていたが故、そしてワインが素晴らしかったが故に彼のワインは青天井に上がっていきます。私がアンリジャイエを買って飲んでいた時代、DRCのエシェゾーが4万円、5万円、アンリ・ジャイエのエシェゾーは2万円といった感じでした。それが他界した途端、20万円、30万円になり、今だに上がっている状況。「上がるもの」を見れば、投機家はついてくるのがこの世の中。ちょっと前の仮想通貨もそうでした。実体がなくても上がれば人はついてくる。それが世の中の悲しく虚しい性です。

 

私がいた金融業界の人間にもワインのことをあまり知らないのに投資したりする人間も増えていきましたし、巷でもワインファンドとか言われるものも散見されるようになりました。ワインを飲まない人もワインを語り出す変な世の中になってきて、話のネタはパーカーがリリースしたレポートにはXXが100点をとったらしいとかなんとか。

 

逆にアンリ・ジャイエは一部の造り手に夢を与えることがあったかも知れません。消費者サイドに立つ多くの造り手はそうでないかも知れませんが、アメリカン・ドリームを夢見る生産者には道が拓けました。一旦世の中で評価されれば、3千円でなく3万円でも買ってもらえる世の中になったわけですから。

 

ところでワインはまだ上がっていくのでしょうか?元株式トレーダーの私にもそんなことは分かりません。一つ言えることは、バブルであることは間違いありません。そして、ワインを飲まない人がワインを持っている事実は何を意味するのか?つまり、昔よりもワインの価格が如実に経済とリンクするということです。経済が悪くなれば、それらは持ち主から離れていくからです。供給が増えれば価格は下がる。今の循環が逆転するんですね。

 

バブルは爆けてみないとバブルとは分かりません。それがバブルの怖さです。山が高いと反動も大きいので、そろそろ今の流れが止まって欲しい今日この頃。

 

早くワインがワイン愛好家の元へリーズナブルな値段で戻って来ることを祈ります。

 

mare

ダニエル・サージュ 澱 ご参考まで

ワインを家のワインセラーで寝かせていたりすると、自分のワインが本当に大丈夫なのかどうなのか、特に大量の澱とか、それが瓶にへばり付いていたりすると「熱劣化」かとか心配になったりもします。もちろん、悪い環境下では「ダメな」澱のでかたをしますし、確かに熱劣化で澱の膜がべったり瓶についたりもします。ただ、自然派ワインなどは大量の澱が初めからあったり、理想的な環境下でも若くして熟成中に澱がでるものも多いので、「澱」=「ダメ」ということではありません。

 

私の場合は、一部のワインを寺田倉庫に預けてあって、それをベンチマークとして他のセラーのワインの状態を判断します。寺田倉庫は出し入れが少なく、温度も13度から14度で一定、安定しているので「理想的」な環境といえます。ここでカッコつきの理想的としたのは、個人的にどのワインにも13度の安定温度が理想と言えるかというとそうではないのではないか?という感覚を持っていて、よりつっこんで色々なことを試してみたいということで、暫定的「理想的」であり、より正しく自分の感覚で表現するならば「無難的」という方がしっくりくるかもしれません。

 

ところで、かなりの澱があり、かつ追加的にも澱が出てくるものとしてダニエル・サージュのワインがあります。下にある色々な2014年のワインの状態。澱に慣れていない人が見ると一瞬で不安になると思います。結論からすると問題ありません。輸入元は信頼のできる野村ユニゾン、購入後そのまま寺田倉庫に置いてあるので温度的問題があったとは考えられませんし、実際に飲んでみても素晴らしい状態でした。

 

ルー リーブル No.18 (赤ワイン、ガメイ)

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グランジ バラ フェヴリエ(赤ワイン 直接圧搾、短時間のマセラシオン、シラー)

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ニクタロピ(ロゼワイン 直接圧搾、短時間のマセラシオン、ガメイ)

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各々のワイン生産者のワインには、酸化防止剤の量、フィルターの有無なども含め「癖」があるので、個々で対応し、経験を積み上げて行くしかありません。澱を見ても焦らず、最終的に飲んで判断して下さい。

 

mareも日々経験を積み上げていっている途上にあります。なかなか終わりの見えない道です😊

 

 mare

 

 

ボーカステル1978年、震災復興、日本の政治

3月11日にワイン会を開かせて頂きました。ワイン会主催が初回ということもありまして、参加者の皆様に少しでも美味しくワインを飲んで頂きたいという思いから、ビオカレンダーを見ると3月11日が好日。東日本大震災の日ではありましたが、その日に開かせて頂きました。ただ、震災復興のために何かできることをと考え、自分と30年近く連れ添ってきた大事なワイン、ボーカステル・シャトーヌフデュパプ1978年を1杯1500円でご提供してお金を集め寄付させて頂こうと考えました。参加者の皆様のご理解を得て18000円のお金が集まり、寄付先を慎重に考えておりましたが、赤十字ユニセフのような大手はそのランニングにコストが掛かりすぎているように年次報告書などを拝見して感じましたので、仲良くして頂いている仙台の酒屋さんにご相談した上で、CWニコルさんが活動しておられるアファンの森財団の震災復興活動に寄付させて頂くことにしました。

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震災で大きな被害を受けた宮城県東松島市を中心として復興支援をしていらっしゃるようですが、なにより「森」と「子供」にフォーカスして支援されている点に共感を覚えました。私の好きなワインを生む葡萄畑も地球の大きな生態系の中でその影響を受けながら生きている訳ですし、人間が散々壊してきた大切な森を時間がかかることを承知で、諦めずゆっくりでもいいから復活させていこうという試みに賛同したいと思います。また、心に深く傷を負った子供たちをサポートしていく姿勢に共感を覚えました。昔から子供は国の宝と申しますが、まさにそのとおりで子供達へのサポートが絶対と考えております。

 

そんなこんなを考えているときに、なんとなく日本の政治・経済に目がいってしまって、ブログに書きたくなったので少し。。。日本の政治は中央銀行と一緒になって飴と鞭、脅しすかし等、色々な手を使って経済を回していこうと思っているようですが、本当に大切なことが抜けてるんですよね。「希望」。アファンの森は国の経済活動・政策規模からすれば砂粒、もしかしたら微粒子ぐらいの大きさですが、それでも人々、特に子供の心の中に「希望の苗」を植えようと必死で活動しているようです。最近日本の政治は各論では正しい政策も多くやっていると思いますが、それでもやみくもな財政出動による公共事業傾斜、インフレをちらつかせながら個人資産のリスク資産への誘導など、ちょっと技術的過ぎというか、その場しのぎ的というか。教科書的経済論だけでは実際の経済とは対峙できないということをもう少し肝に命じてもらいたいです。

 

国の借金は一人当たりもう900万円近く。将来ひとりひとりへの負担となるわけですから、高年齢層ではプラスでも若年層はみんな間接的に借金漬けということです。将来を担う若年層や子供を借金漬けにしておいて「日本の未来は明るい」とか言っている政治家、頭おかしんじゃないかと思います。半面、借金があるからといって人はすべてを失う訳ではありません。「希望」さえあれば。まずは苗を植えることからです。先日お会いしたドメーヌ ・ナカジマやアツシ・スズキの生産者の方々は若木で収量が少なく、まだ生産量が小さいながらも将来を見据えて、羨ましいぐらいの希望に満ちたお顔をされていました。今、日本の政治はきちんとした将来の指針を示さなければ!アファンの森財団のように、人の心に「希望の苗」を植えなければ!

 

mare