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2019年の締めくくりとして、今年のワインTOP5 - ランキング 2 / The most memorable TOP 5 wines in 2019 - Ranking 2

2019年のランキング2位は、オキピンティ/グロッテ・アルテ2006年です。

 

このワインは月次のワイン会で出したワインですが、開けた瞬間から「特別」なのが分かりました。素晴らしい熟成したバローロ のような威厳さを感じたからです。オキピンティはシチリアの女性醸造家ですが、彼女がワインを造り始めた当初からフォローしています。このワインが自然派だからという訳ではなく(当時はあまり自然派っぽい自然派は好きではなかったですし)、その時代にシチリアワインとして主流であった過熟的なワイン、例えばドンナ・フッガータやプラネタなどと違ってシチリアワインらしからぬ酸と透明感を持っていたからです。

 

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前から申し上げているように、私昔からアマチュア・カヴィストでございます。なので趣味はワインを美味しく育てる事。そして育てようと思うワインの条件は、1.いっぱい買える値段である事、2.ワインが十分な酸を含んでいて他の要素とのバランスが良い事、3.今より寝かせることによって複雑味が増すポテンシャルがあること(ここだけ説明しづらい)、です。プロのカヴィストを名乗るようになってもこの条件は何ら変わりません。なので育てるワインの対象として、DRCは含みませんし(熟成させて一番面白いのはDRCということも承知です)、酸が弱くてフレッシュなワインはセラーには置きません。

 

こんな条件から購入して以来、育ててきたこのグロッテ・アルテ。もともと酸が十分ある上にシチリアらしい果実味も備えていました。そこに熟成に耐えるだけの酒質、しなやかさもあり、セラーの中で美しく育っていました。透明感のあるワインが過度な重さを感じさせない、でも複雑なワインになっていたんです。ワイン会の時には他にマーカッシンやセシル・トランブレの特級畑やドーヴネのワインなどもあり、それらと比較されるとどんな反応になるのか心配もありましたが、やはり美味しいものは美味しいと皆さんに公平に評価されるんだなとこの時実感しました。皆さんがこのワインを飲んだ後の「沈黙」。

 

育ての親として本当に嬉しかったです。

 

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