mareのおすすめワイン

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2019年の締めくくりとして、今年のワインTOP5 - ランキング 3 / The most memorable TOP 5 wines in 2019 - Ranking 3

今年もやっぱりナカザワヴィンヤード!

 

今年は2月にサラリーマンを辞め(いわゆる「脱サラ」)、ワインダイニングへの道途中として多くのワイン会を企画させて頂きました。そこでワイン好きの方々の嗜好や思考を勉強させてもらったり、そして優に100本を超える素晴らしいワインを開ける機会を頂き、その味、成長を確認できたり、本当に密度の濃い時間を過ごさせて頂きました。懲りずにワイン会に来て頂いた方々に本当に感謝の一年でした。

 

そんな一年の中で世間一般にいう貴重なワインを色々開けさせて頂いて、本来ワインに優劣をつけるものではないながらも、夏頃までにはワイン会でのワインを中心に自分の「今年一」みたいなリストが出来上がっていたんですが、、、、、9月に壊れました(汗)

 

とあるインポーターの方々と北海道の生産者さんを回る機会があり、ナカザワヴィンヤードさんにお邪魔する機会がありました。そこでクリサワルージュを飲んで、、、おかわりして、またおかわりして、、、

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このワインに思うことは「毎日飲みたいワイン」(いやいや、手に入らないので現実的な話ではないのですが、、、)。もっというと空知のワイン全体にそれを感じています。近藤さんご兄弟のワインにしても、イレンカさんにしても、手に入る入らないは別として、素晴らしいワインであり、毎日飲みたいワイン。シャトーマルゴーも、モンラッシェも、カーゼバッセも凄いワインであり、素晴らしいワインですが、自分がお金持ちだったとしても毎日飲みたいとは思わないです。空知のワインは毎日飲みたい!何でしょう、身体への浸透率が高いというか、ゆっくりずっと飲んでいられる。空知の方々は各々の個性がありますが、ご自分たちの飲みたいワインを苦労しながらも愚直に造っておられるという印象があって、それがこの共通点を作っているのかなと感じます。すばらしいクオリティーが備わっていて、さらに毎日でも飲みたくなる。それって最高のワイン像じゃないかなと去年の暮れにぼやっと考えていたことを再認識させられました。

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そして今年自分が最も気になっている疑問がこの訪問とそれに先駆けて一月前の南アフリカ旅行での体験で湧いてきました。空知の寒い土地ではブドウの糖度を上げていくために、時期的に台風などのリスクに対峙してでも、収穫を我慢強く待つのに対して、南アフリカで全ての生産者が口を揃えたのは「アーリーピッキング」。つまり南アフリカでは酸を確保し、ワインのエレガントさを残すために早めの収穫を心がけているようです。では、空知と南アフリカで同じ糖度のブドウから同じpHのワインができたなら、そこに何が残るのだろうという疑問です。自分なりの見解では南アフリカのワインには、良く言えば「血統の良さ」、悪く言えば「ボンボンな感じ」な印象があります。空知のワインには「覚悟」が見える気がします。

 

本当に自分がワインのテイスターとしてそこまでワインの「向こう側」が見えているかどうか怪しいものですが、そんなワインの本質的なところも見えるような「ワイン飲み」になれればと切望する今日この頃です。

 

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