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インスタグラム mare.wine が綴るワインと時々経済のはなし

投資と投機

今日はワインの事ではなく、一般的な、でも家計にとっても仕事にとってもとても大切な話を元株式トレーダーの目から少し。

 

「投資」という言葉と「投機」という言葉があります。一般的にこの言葉を使う時は株やFXや仮想通貨などをイメージする人が多いと思いますが、実際は日常の中にもあります。レストランがしたくて店を造るのは「投資」、将来ワインの仕事がしたくてワインスクールに行くのも「投資」。じゃあ、「投機」とはなんでしょう。

 

イメージは「買ってすぐ売りぬけること」って感じなんだと思いますが、結構本質を突いている言葉だと思います。この言葉には2つの意味があります。「買って」という言葉の中にはなんとなく流行に乗ってというニュアンスが含まれていて、また「すぐ」という言葉には短期的という意味が含まれています。つまり「投機」とは株や商品取引などに限らず、「流行に乗って短期間に利益を上げる」という行為全般の意味になります。

 

できるだけ本質的な価値を精査して行動する「投資」と違って、「投機」はただ流れに乗るだけなので、自分の行為が正しいか正しくないかを決める「軸」を持っていません。なので「撤退」(株用語では「手仕舞い」といいますが)が遅れる、もしくはできないというのが「投機」の弱点です。聞こえの良いテーマに乗って上昇している株を買ってみたが、その後買った値段より下がって、どうしていいか分からず持ち続けている、なんてのが良い例です。

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今私の仕事であるワインやレストランの世界に置き直してみると、例えば「自分はそんなによく分かんないけど、日本ワインブームだからレストランを造って(もしくは今あるレストランで)日本ワインをどんどん仕入れて売ろう!」なんていうのは、一見流行をおさえた「ビジネスモデル」と考えがちですが、その一面は「投機」でもあります。

 

人の行動をとやかく言える立場ではないので、「投機」はダメだとかいうつもりはありませんが、少なくとも自分の行動や思考が「投資」なのか「投機」なのかを俯瞰しながらきちんと精査、把握して、そこから見出されるリスフ・プロファイルをきちんと踏まえ行動することが、生きていくためにとても重要なことだと思っています。

 

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