mareのおすすめワイン

インスタグラム mare.wine が綴るワインと時々経済のはなし

信用

お店の「信用」って誰でも大事なのは分かっているし、当の本人も分かっているのだと思いますが、これほど壊れやすいものもなく、これほと強いものもないとmareは思っています。

 

ワインが一般に受け入れられレストランの前面に出てくる中、ワインがそしてソムリエが背負わされた「レピュテーション・リスク」。大変な時代だなーと思っています。

 

昔話ですが、銀座のあるグランメゾンで1961年のラトゥールを頼んだことがあります。念のため言っておきますが、安くはないものの今ほど高額ではなかったです。サービスして頂いたソムリエさんは結構有名な方でした。テイスティングをされて、「歴史」を感じますとおっしゃっておられましたが、私は「痛み」を感じました。ただ、古酒にはかなりの振れ幅があるので、「美味しいです」とは言わず「大丈夫です」とお伝えしてその時は我慢して2/3ぐらい飲みました。

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なかなか飲めるワインではないので、ソムリエさんも私が分からないと思っていたのか、それともやはり「従業員」なので会社を守ろうとしたのか。1961年のラトゥールはすでにそれまでに3度飲んでいました。ワインを猛勉強中の私は、ワイン評論家の評価を鵜呑みにして「頂点」と思えるワインを探している時代で、それを飲めばワインが解ると勘違いしている時でした。それはさておき、その3本というのは、銀座アピシウスで状態がとても良いもの1本、上の中ぐらいのもの1本、自宅で中の上ぐらいのもの1本。なので、味をある程度知っていました。そして、私が2度とその店に行かなかったのは言うまでもありません。

 

マイナスの話ばかりするつもりはありません。京橋シェ・イノ。ルフレーヴのピュリニー・モンラッシェ/レ・ピュセルのハーフを頼んだことがありました。まだ、10年ぐらいしか経っていないのに20年ぐらいの雰囲気で石油っぽい香りも少しあり、ホストテイスティングの反応を求められたので、もう少し若いかと思っていましたとお答えしました。そしたら、、、、ソムリエの伊東さん、3本開けてどれがお好みですか?って。えーーー、すみませんでした🙇‍♂️ それからというもの、家族イベントとかあれば、伺わせて頂いてます。

 

あと、銀座シノワで母の還暦お祝いにDRCのエシェゾーをお願いした時です。テイスティングさせて頂いてまあまあ美味しいなっと思っていたのですが、1/3ぐらい飲んじゃったところでオーナーの後藤さんがテイスティング。出たコメントが、「どうですか?少しだけど、違う感じじゃないですか?」そう言いつつワインセラーに言ってもう一本開けてしまったのです。そして、比較して飲むと確かに。少し年月が経ったヴィンテージだったのですが、後藤さんの味の想定の正確さにただただ舌を巻いてしまった事件でした。そして、当然私の中でシノワは聖域となっております☺️

 

最後に、六本木に今の麹町ロッシがあった時代。一人ヴァレンティーニのトレビアーノをボトルで頼んで飲んでいたのですが、もう残りが1/4ぐらいになったところで、静かになった厨房からシェフの岡谷さんが出てきて、「テイスティングしていい?」。どうぞどうぞということで一杯献上したのですが、帰ってきたコメントが「違うな!」。そしてワインセラーの違うところにあったボトルを開けて「これだよー!」って。両方飲みましたが、違いが分からない20代。50になって未だにその違いが何だったか分からない未熟者のmareです😅

 

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