mareのおすすめワイン

インスタグラム mare.wine が綴るワインと時々経済のはなし

日本の豊かさと自然派ワイン

ボツワナ南アフリカを旅して本当に色々な事を学ばせてもらいました。その学びを共有するために自分の職業であるワインと経済から一つだけ書きます。

 

結論から言うと、日本は本当に本当に豊かだと言う事。

 

普通に水が飲め、治安も良く、公共のトイレでもウォシュレットがあり、、、、、高級レストランに行かなくてもワインが最高の状態で飲める。

 

個人的に見ると南アフリカにはワインに2つの領域があります。今回私が訪問したワイナリーは先進的、意欲的、向上的であり、口を揃えて話すのはエレガンスとミニマムな酸化防止剤投与。でも南アフリカの現状を見ると、よく飲まれているものは温度も含めて乱暴な扱いを前提にした相当量の酸化防止剤を含む低価格ワイン。私が訪問したワイナリーのワインは価格面だけでなく、取り扱いも含め難しいのか、国内で消費されることは多くなく、海外向けに輸出されていくようです。

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未だに貧富の差が激しく、治安も改善しているとはいえ良いとはいえず(どこの大型ホテルや観光に力を入れているワイナリーも入り口には堅牢な門がありセキュリティーの人が24時間駐在して入場者を確認している)、政治も不安で国債引き下げ圧力にさらされ、そのような状況の中では取り扱いに多大なケアーとコストのかかる自然派ワインなどは活躍する機会など本当に限られるのだなという現実を思い知らされました。テスタロンガなんて、どこのレストランやビストロでも(専門店は除き)見ることはありませんでした。

 

つまり、ワインの世界から極端な話をすれば、その辺のビストロでも気軽に自然派ワインが飲めることは、日本の豊かさの象徴のように思えます。それが本当にすごく贅沢で幸せなことだということを今回の旅で実感させられました。

 

最後に懸念事ですが、日本の豊かさは途方もない額の「借金」で賄われていることを忘れないでいたいです。街金でお金を借りれている内は、どんな人でも贅沢な暮らしはできます。でも、そんな生活にはいきなり破綻がきます。輪転機を回すことができるとは言え、国も最終的には同じです。財政赤字年金問題に目をつぶり、ぬるま湯生活を続けていれば、最終的には自然派ワインが飲めない時代が来てしまうかもしれません。立て直すためのカードはもう本当にあまり残ってないと思います。現実から目をそむけないでいたいです。

 

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